最近、多くの開発者の間で話題のAIコードエディタ「Cursor」。その便利さから、私も遅ればせながら利用を開始しました。

これまでChatGPT ProやClaude 3などを活用し、実装速度が既に10倍向上したと感じていましたが、Cursorを導入したことで、さらに10倍、つまり従来の100倍近いスピードアップを実感しています。すっかり「Cursor最高!」という状態です。
Cursorの最大の魅力は、エディタ内で直接AIと対話できる点です。コーディング中に「このコンポーネント群をリファクタリングして」とか、コンソールのエラーを貼り付けて「このエラーの原因と解決策を教えて」といった質問がその場で可能です。AIによるコード変更は、Gitのように差分が色分け表示されるため、意図しない修正を簡単に拒否できます。不足パッケージのインストールやファイルの削除も、ユーザーが「Accept」ボタンを押すことで初めて実行されるので安心です。
これらの機能はWeb版のChatGPTやClaudeでも可能ですが、Cursorはプロジェクト全体のファイル構造や依存関係をより深く理解した上で提案してくれるため、修正の精度が高く、開発体験が非常に快適です。
また、Web版のAIツールでは長い対話や大量のコード生成で応答が不安定になったり途切れたりすることがありますが、Cursorでは膨大な量の修正も一気に実行してくれます。
稀に(特に高性能モデルで)意図しない過度な修正が行われることもありますが、「Restore」機能で直前の指示時点まで簡単にファイル状態を戻せるため、安心して試行錯誤できます。(ただし、削除されたフォルダの復元は難しい場合があるので、Accept前のコードレビューは重要です)。
さて、ここからが本題です。

CursorのProプランには、高性能なプレミアムモデルを高速(Fast)で利用できる回数に、月500回という制限があります。
これは、AIへの指示(リクエスト)を月に500回まで高速処理できるチケットのようなものです。通常の使い方であれば十分な回数ですが、私のようにCursorの便利さに夢中になり、ツール開発や大規模リファクタリングに没頭すると、数日で上限に達してしまうこともあります。
上限を超えると、低速(Slow)モードでの利用は可能ですが、一度高速モードの快適さを知ってしまうと、なかなか耐えられません。
Cursorでは「プレミアムモデルの利用回数を増やす」という直接的なプランは提供されていません。上限を超えて高速モードを維持したい場合は、ユーザー自身がOpenAIやAnthropicなどのAPIキーを設定し、従量課金で利用する必要があります。
この記事では、「CursorでClaude APIを連携したい」と考えている方に向けて、Anthropic ConsoleでClaude APIキーを取得し、クレジットをチャージして、Cursorに設定するまでの具体的な手順を分かりやすく解説します。
この記事の内容
- Cursorのプレミアムモデルとは?制限と高速利用の仕組み
- Anthropic APIキーの設定手順(アカウント作成からクレジット購入まで)
- CursorとClaude APIを連携させる具体的な方法
- API連携(従量課金)の仕組みと注意点
- Claude API連携後の実際のコスト感と代替案
- まとめ:CursorとClaude API連携で開発効率を維持
- 追記:意外と使える?SlowModeという選択肢
- 追記2:SlowModeの実情とGemini 2.5 Proという強力な選択肢 (2025年4月)
Cursorのプレミアムモデルとは?制限と高速利用の仕組み
Cursorには複数のAIモデルが組み込まれていますが、その中でも特に高性能なモデル群が「プレミアムモデル」と呼ばれています。代表的なものとしては以下が挙げられます。
- Claude 3.5 Sonnet(Anthropic社製)
- GPT-4 / GPT-4o(OpenAI社製)
- その他、最新の高性能モデル
これらのプレミアムモデルは、複雑なコード生成、高度なデバッグ支援、的確な質疑応答に優れており、標準モデルと比較して高い精度を発揮します。
Cursorの有料プラン「Proプラン」(月額$20、日本円で約3,000円 ※為替レートにより変動)では、これらのプレミアムモデルを**「fast(高速)」モードで月500回まで**利用できます。fastモードでは、AIへのリクエストが優先的に処理され、待ち時間なくスムーズに開発作業を進められます。
この月500回の制限を超過すると、自動的に**「slow(低速)」モード**へと切り替わります。slowモードでは、AIの応答に時間がかかるようになり、特にサーバー混雑時には数秒から数分の待機時間が発生することもあります。
しかし、Cursorの設定で**「Enable usage-based pricing(従量課金を有効にする)」**オプションをオンにすることで、500回を超えてもfastモードを維持できます。この場合、利用したAPIのトークン量(処理したテキストの量)に応じて、連携したAPIサービス(今回はAnthropic)に追加料金が発生する仕組みです。

「Enable usage-based pricing」を有効にすると、上記のような設定項目が表示されます。
ここで重要なのが**「Monthly Spending limit」**(月間支出上限)の設定です。これは、従量課金で発生するAPI利用料金が設定した上限額に達した場合、Cursor側で自動的にAPI利用を停止してくれる安全機能です。あくまでAPI利用料金の上限設定であり、CursorのProプラン料金($20)とは別に、API連携先(AnthropicやOpenAI)へ直接API利用料金を支払う必要がある点に注意しましょう。

なお、Cursorの設定画面下部では、どのモデルを何回利用したかの詳細な履歴を確認できます。
「Included in Pro」と表示されているのが、Proプランに含まれる月500回のプレミアムモデル利用分です。一方、「User API Key」と表示されているのが、今回設定するようなユーザー自身のAPIキー(Claude APIなど)を利用した分、つまり従量課金が発生する利用分です。
履歴を見ると、「Aborted, Not Charged」(中断、課金なし)や「Errored, Not Charged」(エラー、課金なし)といった項目があることがわかります。これは、処理が途中でキャンセルされたり、エラーで完了しなかったりした場合には、API利用料金が発生しないことを示しており、利用者にとっては嬉しいポイントです。
Anthropic APIキーの設定手順(アカウント作成からクレジット購入まで)
それでは、CursorでClaude 3.5 SonnetなどのAnthropic社製モデルを従量課金で利用するために必要な、Anthropic APIキーの設定手順をステップごとに解説します。
ステップ1:Anthropic Consoleでアカウントを作成する
- まず、Anthropicの公式サイト(console.anthropic.com)にアクセスします。
- 「Sign Up」ボタンをクリックし、メールアドレスとパスワードを設定してアカウントを作成します。その後、登録したメールアドレスに届く認証メールを確認し、認証を完了させます。
- ログイン後、必要に応じて氏名や組織名などの基本情報を入力します。
ステップ2:APIキーを取得する
- ログイン後、画面左側のメニューから「API Keys」を選択します。
- 「Create Key」ボタンをクリックします。
- APIキーを識別するための名前を入力します(例:「Cursor-Integration」など、分かりやすい名前を推奨)。
- APIキーが生成され、画面に表示されます。このキーは一度しか表示されないため、必ずコピーしてパスワードマネージャーなど安全な場所に保管してください。

ステップ3:支払い情報を設定し、クレジットを購入する
- 左側メニューの「Plans & Billing」に移動します。
- APIを利用するには、あらかじめクレジットを購入しておく必要があります。「Add Payment Method」をクリックし、クレジットカード情報を登録します。
- 次に、「Purchase credits」セクションでクレジットを購入します。お試しであれば、最低購入額の**$5**(日本円で約750円程度 ※レートにより変動)からで十分でしょう。
- クレジットが一定額を下回った際に自動で追加購入(チャージ)する「Auto-reload」機能もありますが、意図しない課金を防ぐため、最初は手動(OFF)にしておくことをお勧めします。

